【感想】ラブカは静かに弓を持つ ~信頼の構築と崩壊~

小説紹介

どうもテッシーです!

テッシー君

読書好きのアスリート大学生!
小学生から読書に目覚め数々の本を読破してきました。
小説があなたの人生を豊かにするをテーマに主に小説について発信しています。

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今回紹介する小説は

安壇 美緒 著

ラブカは静かに弓を持つ

です。

第6回未来屋小説大賞第1位

2023年本屋大賞ノミネートもしている作品です。

スパイ×音楽という組み合わせで織りなす物語であり

人間関係の尊さを感じられる物語になってます。

スパイ×音楽という先入観からは想像もつかない物語に

誰しもきっと考えさせられることでしょう。。

では、詳しく見ていきましょう!!

ラブカは静かに弓を持つ  安壇美緒 著

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……

想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!

集英社文芸ステーション より

スパイ×音楽というストーリー

この小説の斬新なところともいえるのが

スパイ×音楽

というあまりない設定にあると思います。

あらすじにもあるように

主人公の橘樹(たちばな いつき)は著作権法違反をしているという

証拠をつかむために会社のスパイ要因として

音楽教室に潜入することとなります。

橘は昔チェロをしており

その関係でスパイをすることになったのですが

彼には誰にも言えない不安がありました。

それは彼の過去の話であり、 

チェロをやめたきっかけにもなる事件でもあったのです。

そんな不安や恐怖が音楽教室の人たちの出会いでほぐれていく、

しかし、スパイとしての役割を終える時期が迫ってきていました。。

果たして彼はどのような行動に移るのか

それらを待ち受ける結果とは。。

そういうストーリーで物語は進みます。

音楽とスパイ活動が混ざり合った

本当に素晴らしい物語です。

その中で主人公はどう変化し

この物語に決着をつけるのか

スパイとして人を裏切ってしまった彼の判断は。。

この物語はその設定の面白さと

その裏にある人間関係が見どころになってると思います!!

信頼の構築と崩壊

今回の小説の人間関係において注目なのは

信頼の構築と崩壊

です。

スパイとして送り込まれた主人公は

闇を抱えた一般人です。

その闇を晴らしてくれたのは紛れもない

スパイ先の音楽教室の人たちでした。

そうして主人公は彼らを大切にし、

彼らも主人公を大切にしていました。

なのに、その信頼を裏切る形になってしまった主人公。

信頼は崩れるのは一瞬です。

構築するのは時間がかかるのに崩れるのは一瞬。

そして、それを取り戻すにはまた途方もない時間がかかります。

主人公はそれをどうするのか、

全てが丸く収まるなんてことはないのだと思いました。

人間誰かを騙す嘘はつくべきではないし

それでも手を差し伸べてくれる人がいるのだと

この世は捨てたものではないなと心の底から思えました。

感想

心を癒してくれる人がいる。

信頼してもいいと思える存在がいる。

それだけで、人の心は穏やかになれるのだと

そう思えた作品でした。

深海にいるような真っ暗で身動きがとれない心の中で

信頼できる人は一筋の光なのだと感じれました。

その人たちを裏切っていることに対する自己嫌悪感には

ドロドロとしたイヤな感情が沸き上がりました。

自分の大切な人をだますことは何よりしんどい

主人公に感情移入しながら読み進めていったのですが

心がしんどいなと思えるところが多く

その分人間の暖かさに

より救われるような気持になりました。

また、チェロも聞いてみたいと感じて

聞いてみましたがとてもいい音色でハマりそうです。。

信頼という人間関係について

とても考えさせられるいい物語でした。

皆さんもぜひ読んでみてください!!

今日はこの辺で。。

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